浜松町駅エリアの大規模再開発、ブルーフロント芝浦のツインタワー南側「TOWER S」が9月1日に開業決定 野村不動産とJR東日本は、共同で推進している国家戦略特別区域計画の特定事業「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」(東京都港区芝浦1-1-1)のツインタワー南側1棟目「TOWER S」を9月1日に開業すると発表した。
高層階には日本初進出のラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が7月1日にオープン、中層階には空と海の景色が開放的なテラス付き共用部「スカイラウンジ」などを設けたオフィスフロアが8月にオープン、低層階の商業施設にはフードホールや新業態含む飲食を中心とした約40店舗が9月1日にオープンし、全体開業となる。
高さ約230mの南北ツインタワーからなるブルーフロント芝浦は、旧浜松町ビルディングを建替え新設したもの。区域面積は約4.7ヘクタール、延床面積は約55万m2におよび、ホテル・オフィス・商業施設のほか、住宅、浜松町駅と芝浦エリアをつなぐ緑のアプローチ「GREEN WALK」、芝浦運河沿いに新設の船着場「BLUE FRONT SHIBAURA PIER」、既存2か所の区立公園を集約・整備した約1670m2の「港区新浜公園」などが付帯する。
名称は“東京のベイエリアをつないでいく”という想いに由来。都内有数の舟運ターミナル「日の出ふ頭」や芝浦エリアを流れる「芝浦運河」と近接した立地を活かし、新たな交通手段として注目される舟運の活性化や水辺のにぎわい創出を目指すという。なお、2棟目「TOWER N」は2030年度竣工予定としている。
高さ約230mの南北ツインタワーからなる「ブルーフロント芝浦」。芝浦方面(南側)に1棟目「TOWER S」、浜松町駅方面(北側)に2棟目「TOWER N」が建つ ベイエリアと東京都心部をつなぐまちとして機能を担う「ブルーフロント芝浦」 低層階の商業施設には飲食店を中心とする約40店舗が入る 外観は周囲の景色を映し出すカーテンウォールの外壁が特徴的。内部にはオーシャンビューとシティービューを望む共有テラスなどを随所に設ける 2019年に整備した日の出ふ頭小型船ターミナル「Hi-NODE」、TOWER Sの開業とともに新設する芝浦運河沿いの船着場「BLUE FRONT SHIBAURA PIER」を運営するほか、都が推進する“船旅通勤”の実装に向けた舟運サービス「BLUE FERRY」(晴海~芝浦・日の出間)を運航開始している。今後も非日常体験が楽しめる“ラグジュアリークルーズ”などを展開していく予定 フランスのアコーが展開するラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が35~43階に入居 タワー麓には浜松町駅と芝浦エリアをつなぐアプローチ「GREEN WALK」が開通済。新幹線も間近に望む道沿いに、先行して3店舗の飲食店(自家焙煎コーヒー「Jaho Coffee&Tea」、グルメバーガー「PALM SPRINGS CLUB」、イタリアン酒場「Ortu」)が5月30日にオープンしている 野村不動産ホールディングス株式会社 代表取締役社長 新井聡氏。「陸側は浜松町芝大門・竹芝・芝浦の3地区で連携し、東急不動産や世界貿易センタービルディングらとともに、東京の内陸とベイエリアの結節点である浜松町駅周辺エリアの活性化に取り組む」と説明。グループ本社はTOWER Sへの移転が決定している 東日本旅客鉄道株式会社 常務取締役 中川晴美氏。「JR東日本グループでは東京の国際競争力強化に貢献すべく、広域品川圏(大井町~品川間の5駅にまたがるエリア)の再開発に力を入れている。浜松町駅周辺エリアはこれからの日本の成長をけん引する存在になると感じている」 野村不動産株式会社 代表取締役社長 松尾大作氏。「エリアの各施設をつなぐ循環バスやパーソナルモビリティの周遊と、イベント開催に合わせて運航するクルーズ船がシームレスにつながる仕組み、公共交通の検索・予約・決済を一括で行なえるMaaSの導入も検討していく」